「ピンクのシャツで、いじめにNOを」──あなたはこの日を知っていますか?
毎年、世界中で「ピンクのシャツ」を着た人たちが街にあふれる日があります。
それが、ピンクシャツデー(Pink Shirt Day)です。
この日、人々はただピンク色の服を着ることで、いじめに反対する意思を示します。
「いじめは許さない」というメッセージを、行動で静かに、しかし力強く伝えるこの運動。今回はその背景、広がり、そして私たちができることまで、詳しくご紹介します。
ピンクシャツデーの始まり:高校生の一歩から始まった運動
ピンクシャツデーの起源は、2007年のカナダ・ノバスコシア州にあります。
ある男子生徒がピンク色のシャツを着て登校したところ、それを理由にいじめにあってしまいました。
それを知った2人の高校生が、ある行動に出ます。
彼らは50枚以上のピンクのシャツを用意し、翌日、仲間とともに全員で着て登校したのです。
学校中がピンク色に染まり、いじめられた生徒は孤立感から救われました。
この出来事は大きな反響を呼び、やがてカナダ国内だけでなく、世界中に広がっていくきっかけとなりました。
なぜピンクなのか?
ピンクという色には、「優しさ」「思いやり」「あたたかさ」といったイメージがあります。
この色を身につけることで、「私はいじめに反対します」「私は誰かの味方です」というメッセージを表現できます。
つまり、ピンクシャツは単なるファッションではなく、「意思表示」のツールです。
ピンクシャツデーの世界的な広がり
ピンクシャツデーは今では、カナダをはじめ、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、イギリスなど、世界中で取り組まれています。
私が留学していたニュージーランドでも、毎年ピンクシャツデーが大きな行事として行われていました。
学校では生徒も先生もピンクの服を着て登校し、いじめについて考えるワークショップや、支援の気持ちを込めたポスター制作が行われていました。
雰囲気はとても穏やかで、誰もが「安心してここにいていい」と思えるような空気に包まれていたのが印象的でした。
誰でもできる、ピンクシャツデーへの参加方法
ピンクシャツデーへの参加はとてもシンプルです。以下のいずれか、あるいはいくつかを実行することで、あなたも意思を表明できます。
1. ピンクの服を身につける
シャツに限らず、ネクタイや靴下、小物など何でも構いません。大切なのは、「いじめに反対する気持ちを見える形にする」ことです。
2. SNSで自分の意見を発信する
「#PinkShirtDay」「#いじめ反対」などのハッシュタグを使って、自分の考えや体験をシェアすることで、思いを広げることができます。
3. 周囲への小さな優しさを意識する
困っている人に声をかける、陰口を聞いたら注意する。そんな日常の行動も、いじめを減らす第一歩です。
よくある誤解:「ピンクは女の子の色」?
日本では「ピンク=女の子の色」というイメージが今も残っていますが、ピンクシャツデーにおいては性別は関係ありません。
ピンクは、誰にとっても「優しさ」「共感」「勇気」の象徴。
自分の信念を伝えるための色です。
ピンクを着ることに恥ずかしさを感じる必要はまったくありません。
まとめ:ピンクは、行動で示す優しさの色
いじめをなくすためには、制度やルールだけではなく、「一人ひとりの意識と行動」が欠かせません。
ピンクシャツデーは、そのきっかけを与えてくれる大切な日です。
たった一枚のシャツでも、「私はあなたの味方です」と伝えることができます。
今年のピンクシャツデー、あなたも一歩を踏み出してみませんか?
次回のピンクシャツデーはいつ?
- ニュージーランド:毎年5月の第3金曜日(2025年は5月16日)
- カナダ:毎年2月の最終水曜日
- 日本:地域や団体によって時期が異なりますが、2月や5月に合わせて実施する学校や団体が増えています
この記事を読んでくださった皆さんへ
このテーマを、あなたの家族、友人、学校、職場でぜひ話題にしてみてください。
いじめを見過ごさない社会を、私たち一人ひとりの力でつくっていけたらと思います。
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